発起人の物語
日本国際医療チームによる大手術と、
献血者の3,000mLの善意が命をつないだ
歌手ヤン・チェン(銭文江)は、世界でも極めて症例の少ない希少がんに侵され、死の淵に立たされました。紹介も国籍も問わず彼女を受け入れたがん研有明病院の国際医療チームと、一度も会ったことのない献血者たちの善意が、その命を死の淵から引き戻します。「救われた命を社会へ返したい」──その願いが、チャリティーコンサート『生命讃歌』を生みました。

「歌える今日が、いちばんの幸せ。」
それが、今の私の素直な気持ちです。
私は、病名も分からないまま不安な日々を過ごし、最後の望みでがん研有明病院に電話しました。手術を終えて目を覚ました時、私の全身には、会ったこともない献血者の方々からいただいた血が流れていました。
日本の国際医療チームの皆さまは、異国から来た見知らぬ私を、自分の家族のように懸命に救ってくださいました。診療科の垣根を越え、白衣の人々が力を合わせる姿を見たとき、私は、それこそが世界のあるべき姿なのだと思いました。
退院の日、歌えること、人と会えること、食事を味わえること、明日の予定を思い描けること。その一つひとつが以前とは違う輝きを持って見えました。私は、ただ元の人生へ戻ったのではありません。命の危機を越えた先で、新しい人生、新しい世界へ踏み出したのです。
再び歌える喜びを多くの人と分かち合い、すべての人の健康と希望を願い、医療者と献血者への感謝を未来の命へつなげたい。その願いから、チャリティコンサート「生命讃歌」は生まれました。
そして今、あらためて思います。生死の境をくぐって知ったのは、いちばん身近な人と過ごす「当たり前の今日」こそ、いちばんの宝物だということ。どうかその一日を、あらためて大切に。大切な人とご一緒に。
※ 上記は発起人ご本人の提供原稿です。医療に関する記述は本人が公表を承認した範囲に基づいています。
中国・西安出身。2002年、荒木とよひさ作詞、三木たかし作曲による「倖せのむこう側」で日本デビュー。「シルクロードから来た歌姫」として、NHK、中国中央電視台(CCTV)の音楽番組、音楽祭、文化フェスティバルなどに出演し、日本と中国を結ぶ音楽活動を続けてきました。代表曲には、NHK新ラジオ歌謡「白木蓮」や、「倖せのむこう側」「愛することしかできない」などがあり、日本の主要レコード会社のひとつ徳間ジャパンから計6枚のCDを発表しています。また、スペインでのオペラ出演、阪神・淡路大震災でのボランティア活動など、国内外で精力的に活動を行ってきました。
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